それは酷い裏切りだった。

尊敬していたのに…。

信頼していたのに…。











【人間失格】








覚醒した目の前は暗闇。
手足は金縛り如く自由が効かない。

次第に事の事実に気付いた時にはその考えは意味が違うのだと発覚する。
暗闇なのは塞がれている目隠しの所為。
金縛り如く、動かないのは両手足が拘束されているから。

何故こんな事に?
そもそも誰がいつの間にこの様に?

そんな疑問は、覚醒したこの少年に気付く人物が答える事となる。


「目が覚めた様だな」


確かにどこか聞き覚えのある声、それは自分が最も尊敬している先輩の声と似ている気がすると思う彼。


「くすくす…何がなんだが解らないみたいだね」


どうやら少年の側には二人程の人物がいる様だ。しかし身に起きている事態に言葉通り理解に追いつかない。


「ようこそ我が生徒会執行部へ」


ここで漸くこの事態の発端となった人物らの正体に気付く。


「アスラン先輩と…キラ先輩?」
「正解」
「これは一体…」


疑問を問う前に隠されていた目隠しの布地を外され、突然の光に眩しさから視界が真っ白に霞む。


「君にとっては『苛め』と思うかもしれない事かな。僕等にとっては最高の遊び道具だけどね」
「まぁ所謂権限を存分に使わせてもらったゲームだよ」


二人が何を言っているのかが解らない。
只理解出来るのは自分にとってデメリットな行為をされるのだと…それだけは本能的に危険を察知していた。


「冗談ですよね…?」
「君は冗談だと思う訳だ…。残念ながら冗談でこんなゲーム、やりもしないさ」
「ねぇ、もうご託は良いからさ始めようよ」


時間が勿体無いと言うキラの言葉から覆いかぶさる様にアスランはシンの身体に乗り上げ、
身に付けている衣服を脱がせられる範囲まで外しにかかる。
拘束されているまでに引き下ろされれば、露出されている場所と脱がしきれなかった衣服に部分的隠されている場所が、
只の裸体よりも一層イヤらしく見えてしまう。
手馴れた動きで抵抗も儘にならない状況から脱がされる今の状態は裸体に近い姿が自然と体温が上昇する。


「こ…こんなの嘘だ…、先輩達悪い冗談よして下さいよ」
「君はこの状況でまだ冗談だと思っているのか?これは冗談では無く…本気だよ」


この瞬間に見せた二人の笑顔にゾ…と青くなる。
昨日まで見せていた優しい笑顔は偽者だったのかと今までに無い嫌悪を初めて目の前の二人に抱いた。


「ねぇアスラン、コレ使っても良いかなぁ?『ハジメテ』な彼にも楽しめる様にさ」
「はは、さすが医者の息子って訳か。環境を存分に利用だな」
「ザラ理事長の息子がそれを言う訳?クスクス」


会話から分かる通り、この二人の家系は学内においても特別な立場。
建て前では見せないが裏ではこの二人、相当親の権力を利用している。
その為もあるのか彼等が入学した際からこの生徒会を仕切る様になったのだが誰もそれに対して抗議など無いのは
二人にカリスマ性があるからだろうか?
そしてこの都市で一番の医療施設病院の息子であるキラは、自分の親の職を利用し、表では出回らない怪しい薬をも
簡単に手に入れる事が出来るのだが、今回使用の同意を求めてきたその品とはネットでもぎりぎり違法までに至らないが
裏ルートからしか手に入らない興奮剤。
そんな薬品もキラの環境ならでは簡単尚且つ直ぐにでも手に入る。その液体入り小瓶をアスランに見せれば、
彼は楽しそうにその使用許可を同意した。


「針は持ってきたのか?」
「速効にしたいからね、もちろん父親の私物からくすねてきたよ」


筆箱程の箱を目の前に出し、その蓋を開ければ病院や学校での予防接種などでなければお目にかかれない医療器具が
その場にお披露目される。淡々と準備に取り掛かる様子にシンも黙ってそれを見過ごす事など出来ない。


「ちょ…ちょっと待てよ!それってヤバいんじゃない?俺を殺す気か?!」


その薬品の正体など知らないシンにしてみれば、よく保健室などに貼られているポスターの内容物を頭に浮かぶ。
『違法薬物使用禁止』や『貴方は廃人になりたいですか?』などのフレーズ。
まさに違法薬物、一般では『麻薬』と呼ばれる類だと思い込んでいた。


「あぁ、驚かせてごめんね。これは君が思う様な薬じゃないから安心していいよ…一回だけの使用ならね。
二度目からは依存しやすいから身体に影響出ちゃうらしいけど今回だけだし」


それはフォローにもならない台詞にシンはただ青ざめるだけ。
鋭い針の先からは無色透明な液が伝い、その針先を拘束された少年の腕へ伸ばされる。
暴れ抵抗すれば命は無いと脅され、針が皮膚を食い込む様子を只我慢せざる終えない。


「…っ!」


事が終えるとキラとアスランは目の前にいる少年を見据える様椅子にかけ、只少年に起こる変化を待ち続けた。
そんな対した時間もしない内、二分も過ぎた頃には少年の様子は明らかに当初の頃とまったく違っている。
顔を赤く染め上げ、呼吸は不規則に荒々しく繰り返す。瞳は視点が定まっておらずその額からはうっすらと汗を滲ませていた。


「そろそろ薬が全体まわってきた様だ」


アスランが彼に近づき、その頬を軽く触れると少しの刺激も敏感に感じ取ってしまうこの薬の効果は絶大に発揮されていた。
触れた所から電気が走るかの様に全身へ信号を送れば、身体全体はビクビクンと大きな痙攣を彼等に見せ付ける。


「すごい効果だな…」
「でしょう?この薬の危険な難点はハマりすぎて次から次へと自分で薬使っちゃう所らしいんだ。
何度も繰り返せば強い麻薬と同じ効果に成りかねないから今では表では販売してないみたい」


シンの背後にキラは周り、後ろから身体に手を滑らせれば大きな刺激がシンの興奮を高ぶらせてしまう。


「ふあああぁぁっ!?」


ブルブルと触る度に震えるその身体は異常なまでな反応であった。
既に自我など無く、クリュっと乳首を爪先で甚振れば天にそそり立つ象徴は体液を噴出し、簡単に頂点へ達した事を二人に分からせた。


「あ…ぁ…ひっく…カラダが可笑しく…っ、何…コレぇ!?」


達しても決して降下しない肉棒は体液を吐き出して冴もその体内に渦巻く欲を更に吐き出したくて仕方が無かった。
若さ故もあるだろうが、元々敏感であろう体質と薬による助けは気が狂いそうな感覚が延々とシンを苦しめている。


「キラ、ちょっとこの薬大丈夫なのか?」
「たぶん」


大した説明書も無ければ口コミやネットでの情報しか宛がない。
つまりはこの口コミであってもネットでの情報も疑わしいものがあるのだが、至ってキラは平然を装っていた。


「…もうこの拘束具してる必要無いよね?」


黒い笑みを向ければ、アスランの思考は「この男だけは敵にするべきでないな」と即座に思う事だった。


ぴちゃ…ちゅっ、くちゅ…


二人掛かりで少年の身体に愛撫を施せば、少年は身を捩じらせ与えられる甘美な行為に没頭する。


「んぁっあぁ…!もっと吸って…ぇ!!」


胸に与えられる愛撫を好んだらしく、その小さな実を存分口内に含む度、シンは貪欲に要求していく。
胸の蕾だけでどれだけ体液を排出しただろうか…?
いくら若い身体だとは言え、体力の消耗は免れない。
だが強い薬の効果はそれさえ麻痺させてしまうらしくいくら吐き出そうとも限界までシンの身体は行為を欲する。
しかし限界によって意識を飛ばそうものなら二人の高ぶる熱は行き場を無くしてしまう、それはあってたまるものかと未だに上り詰める
シンの男性器に伸縮性のあるゴムリングで達さない様塞ぎ止める。


「ひっ?!やだやだ!外して…ぇっ!」
「だーめ、まだ僕達気持ちよくさせてもらってないんだから」
「そうそう、シンばかり気持ちよくなっていたらずるいだろう?」


力の入らない身体を抱き起こし、両手は前に、両膝は肩幅くらいまで広げ立たせると双尻を掻き分け、
ひっそり身を隠していたヒクつく蕾が露わとなる。


「慣らしてもいないのに物欲しそうにしているね」


恐らく未体験であろう彼の身体は本能的からなのか薬の所為からなのか、本来は受け入れるなどしない場所であるのに
異常なまでの腸液分泌はまるで女性器の様であった。
そもそも前立腺というものを男性のみが持つからして人を造った神は受け入れられる構造に考えていたのだろうか?
そんな疑問など考える筈も無くキラはその十分濡れた肉壁の入口に指をいきなり三本注入する。


「ぅあぁっ?!」


十分に濡れたソコは突然の本数を入れられても簡単に受け入れる。
薬による異常なまでの敏感な身体は圧迫による苦痛も快楽として認識し、圧迫の驚きから挿入の瞬間は声を張り上げてしまったが
すぐにでも甘い声へ変遷する。


「すごいね…すごく僕の指に絡み付いてる」
「あ、あぁっ…!や…だ、ヘンになる…っ」


緩急ある繰り返しをする事によって内壁の感度は徐々に敏感になり、不規則に前立腺を掠める事でシンは気が狂いそうな苦痛に
近い悶絶しそうになる程の快楽から自然とその腰はキラの動きに合わせていた。


「シン…イヤらしいな、ココも弄ったらどうなると思うキラ?」


胸元に手を伸ばすアスランの行為にキラは面白そうに口角を上げる。


「きっと堪らなく気持ちよがると思うよ、くすくす」
「そうだろうな」


すると体勢を急遽変え、その状態はアスランが背後からシンを片足抱え、対面する側のキラも逆の片足を抱えれば、
表後ろ二人がシンに密着する様な形となる。
そしてその隙間から覗く秘部にキラが開いた片手で再度指を挿入するという状態、アスランは先程触れていた胸の箇所を片手で、
更に耳の柔らかい皮膚を甘噛みするという二人の愛撫。


「ふぁっ!あ、あっ、も…はずして…ぇ」


張り詰めた肉棒はリングがぎちぎち絡まる程締め付けられ、シンはその限界に泣き出しながら悲願をする。


「そろそろ先進まないとシンが気絶しかねないな」
「そうだね、意識無い相手に突っ込んでも人形相手しているみたいでつまらないし」


二人は突然シンから離れ、再び体勢が変えられればキラはまだ未だ解放しない熱を体内に埋め込んだ。
その衝撃からシンは悲鳴に近い声を張り上げ、その質量が内部にぐいぐい掻き分けられる感覚を震えながら堪能する。
一方その様子を覗いながらシンが落ち着いた頃を見計らい、顔を自分に向けさせればキラ同様高ぶった熱をシンの目の前に出せば銜えろと命令をする。
最初は戸惑うものの麻痺した意識の中、抵抗する事は無かった。


「んぐ…っ、んん…!」
「…っ、いい子だ…シン」


知識など無くとも同じ男としてどこをどうすれば気持ちが良いのかは理解出来る。
的確に舌が絡みつくその行為にアスランは堪らなく没頭してしまう。
キラの方も伸縮繰り返す内壁に我慢出来ず、
ギリギリまで引き抜けば一気に最奥へ突き入れる行為を繰り返していた。
その激しい衝撃がシンの方も堪らなくアスランを受け入れる口内から声を漏らす。


「んーっ、むぐ…ぅっ!んんー!」


涙をポロポロと流し、引き止められる苦痛に身体を支える手足はガクガク限界を求めていた。
流石にこれ以上はシンを苦しめるだけだと理解したキラは背後からシンを苦しめる現況であるリングを取り外せばその瞬間亀頭から
大量の体液が吐き出される。
しかしそれでも終わらないこの二人の行為と残る薬の余韻によって再度堅く立ち上がれば吐き出すという繰り返し。
次第に量が減り薄まっていく体液から吐き出す限界がもう僅かなのが覗える。
薄れ行く意識の中に繰り出される二人の行為はシンが暗闇へと落ちるまで室内で続いた…。













もう随分長い時間寝ていた気がする。
重い頭と気だるい身体を起こすとその自分の存在する場所から夢では無かったのだと絶望を感じずにいられない。


「目が覚めたか?まさかあんな強力な薬だと思わなかったから随分と無理させたな」
「まぁ楽しめたけどね」


悪夢の根源が目の前にただ睨みつけるしか出来ない。


「何故…こんな事を…」


尊敬・信頼していた先輩達の思わぬ裏切りとも思える行為、それは自分に対してどういった意図なのかが知りたかった。


「最初に言っただろう?ゲームだと」
「君は選ばれたんだよ、僕らに。僕ら生徒会の最高の玩具として…君に拒否権は無いという何とも酷いゲームだね」


クスクスと目の前で笑い出す二人が悪魔の様に見える。


「アンタ達最低だ…」


絶望から流す涙、だが彼等にはどうでも良い事。
只…これからの悪夢にシンの行く末がどうなるかはこの二人次第であるという事を…。









【終】










シンオンリーに出した突発イベ限定本です。
大分痛いの書いてみちゃったりしまして(笑)