「…本当に良いんだね?」
「はい…、お願いします」


神田に無理やり抱かれてから2ヶ月目の事だった。
僕はアノ後からも神田に抱かれ続けていた、もちろん脅されて。
神田は思い付きで言った嘘、それは強ち嘘でも無かったのだ。
全てという訳では無いが力の差がありすぎる者同士の親密な関係、禁じている訳では無いのだがやはり大元帥等は良い顔をしないと一部の人から教えてもらった。
その事実を知った神田はそれを良い事に何度も関係を求め、そして身体を貫いた。
不眠とストレスにより僕は倒れ、気が付いた時には医務室のベッドへ横たわりその側にはコムイさんが心配した顔だったのが記憶に新しい。
そんなコムイさんは一言僕に告げたのだった。


「君…女性だったんだね」


その言葉には深い意味を込めていた。
元々科学以外でも医療方面も携っている彼、普段の生活習慣を把握している程観察力・洞察力がすごい事が判る。


「妊娠…してるよ、君は…」


あぁやはり…そうなるだろうと覚悟はしていた。
だってあの彼が一度たりとも避妊などしてくれなかったのだから。
自分でも身体の異常を判っていた、異様に食欲があると思えば過食症の様に胃の中の物を戻す。
身体がダルく少し熱っぽさを感じる。
そんな症状が出始めた矢先だった…。



「堕胎手術は簡単だけど…まだ安定していない未熟な身体では負担が大きいよ?可能性的に妊娠しにくい身体も覚悟必要だよ」
「それは覚悟しています。愛せるか解らない子供を生むよりは…」


涙は当に枯れた、覇気の無い表情をしているんだろうなと自分で笑いそうだ。




そして僕はこの日、一つの命を死なせた。


否、殺したのだ…。


それから後日、全てを打ち明けたコムイさんによって神田は主に遠征な任務が増え、明らかに僕との距離を考えての彼なりの優しさだった。
本来こういう性的暴力にはそれなりの処罰が必要なのだが貴重なエクソシストには重い刑罰は至らない現実。
コムイさんには感謝しなくてはいけない。


後は…


師匠が帰ってきたら僕は笑顔で迎える事が出来るだろうか?
馬鹿正直な性格、きっと顔に出るかもしれない。
否駄目だ、知られたくない・知られてはいけない。
彼には嫌われたくないから…。
僕には師匠への秘密が…沢山出来てしまったから。
陵辱・妊娠・そして堕胎…。


僕はそれでも師匠との幸せを望む、だから…


生涯この秘密を守ろう。


例え死んでも…彼にバレるよりは。



早く貴方に会いたい…。


早く…。






fin







●後記●
すみません暗い話に終わりました。
如何せん、自分の話はギャグとシリアスが混同してしまうらしいです。
師弟話の続編っぽいストーリーですが別モノと考えてもらえたら嬉しいです。
妊娠ネタは好きなんですけど堕胎ネタはやはり嫌悪陥りますね…
アレンだったら好きな人の子供でなくても殺すよりは生むって言いそうですけど…
最近虐待の話題が多いんで殺すなら最初から生むなって考えになってきてるんですよ…
だって悔いも残こせない内に死ぬよりは早く次の命となって転生してもらいたい、てのが私の考えです。
あぁ暗い暗い、次は明るい話にしよっと。





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