拍手連載小説
【LOVE ユウ Only】
●第二話●












「おーい、ユウち〜ん。聞こえてる〜??」



少女の写真を見た瞬間に神田の顔色が変わったのは直に判る事。

フルフル写真を握り締める手、これまで稀に見る神田の姿からして只事では無いだろう。

だがせっかく写真にしては0一つ高い代物、シワ一つでも入られては困るとラビは彼の手からスッと取り上げる。



「何何?彼女とはもしかしてお知り合いだったりするんか?」

「…違ぇーよ、こんな奴知らねぇし」



それは明らかに嘘だと判る。

知らない少女の写真にここまで驚愕する神田の姿を見れば一目瞭然。

それでも知らないの一点張りにこれ以上の追求は諦めるざ終えない。

しかしもし神田と彼女が何か繋がるモノがあるのならば近づけるチャンスと言うもの。

ラビは神田がいない隙を狙えば一人1年の階へと足を踏み入れた。



「ねーねーそこのお嬢さん、このクラスにアレン・ウォーカーいる?」

「は…はい!」



突然学内アイドルの出現に戸惑う女子生徒は目を丸くしてアレンを呼ぶ。



「すごいウォーカーさん!3年のラビ先輩が呼んでるわよ!?」

「『ラビ』先輩?」



黄色の声に囲まれながらもニコニコとこちらに向かって笑いを飛ばす彼にアレンは?を頭にかざしながらその先輩の元へと歩き出す。



「やっぱ生は可愛いなぁ〜vv」

「はあ…?」



突然現れる人物に戸惑う彼女。

しかしよく思い返してみれば神田と常に一緒にいる人物を思い出す。

オレンジ系の茶髪に神田とは対照的に明るく軽い印象だ。

そんな彼が一体何故?



「あの〜僕に何か…?」

「あーごめんごめん。あのさー今度弓道部の対抗試合があるんだけど応援に来てもらえないかなーって」

「え…?」

「君ユウと知り合いでしょ?君が来ればアイツも部員も士気が高まって喜ぶと思ってさ」



明らかに神田を使った口実。

事情を知らないラビはいかにも神田がアレンとの関係を自分に話したかの様に見せながら巧みに口を動かす。



「彼が…喜ぶ?」

「そうそう、アイツも喜ぶし来てくれたら俺もすっごい嬉しい♪」



あれから何年も経ってる幼馴染の応援で彼は喜んでくれるのだろうか?

それよりも目の前の彼に自分の事を話したという事実に淡い期待が過ぎる。

また幼馴染の彼に近づけられるのならとラビの誘いを受け入れた。



「俺すっごい頑張るから応援して!」

「あ…はい!練習も頑張って下さいね」

「すっげー頑張るv思い切って声かけて良かったなぁ〜」



そんな喜ぶ彼とは裏腹にアレンは戸惑いの顔が続く。



(ラビ先輩に…僕の事何て話したんだろう?本当に期待していいのかな…)



胸の奥が早鐘を打つ。

少しだけ…彼に近づけた様に感じたから。

戸惑いからほのかに綻ぶ笑み、少し頬を赤く染めながら彼女は親友であるリナリーへこの事を報告する。



「それってすごい事じゃない!ぜひにも応援するべきよ」

「でも一人だと不安だからリナリーも一緒来てもらってもいい?」

「良いわよvアレン君にとっても一大事だもの!とことん付き合ってあげる」

「ありがと〜!!!」



こんなにまで嬉しそうなアレンにリナリーは胸を撫で下ろした。

しかしその半分は何故か不安に満ちる。



(本当に何事も問題が無ければ良いんだけど…)



そんな思いは時間が経つごとに消え忘れ、そして弓道部の対抗試合である今日を迎える。



















考えてた話とはいささか違ってしまいました。
その辺はまた調節して続き書いていきます。
あと本当は設定内のラビは弓道部では無かった予定でした。
色々と設定変わっていきそうで怖い…;

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