結構パラレルと言ってもいいかなぁ。
『未来からの来訪者』という言葉が今回大きなキーワードです。
話の展開を面白くさせる為にもCPは?×アレンにしました。
たぶんバレバレになるだろうけど。
今回もまたまた女体化してます。
未来からの来訪者
壱 突然の来訪者
「ママー!パパー!どこ行っちゃったの?…ふ…ふぇぇ〜ん!!」
空は厚い雲に覆われ激しく打ち付ける雨に激しく鳴り響く雷、少年の鳴き声は自然現象からの音に打ち消される。
孤独から耐えられず、目の前に見える大きな建物へ向かっていった。
「アレン君!ちょっと来て!!!」
「はい?」
突然リナリーから呼ばれ、向かった先には大勢の人だかりが出来ていた。
アレンの登場に一斉にして皆が本人に注目をする。
「な、何事ですか?」
「良いからこっちへ」
人を掻き分け、進むその先にはコムイが待ち受けている。
そしてその横には泣きじゃくる黒い髪の少年が…。
「あの…、一体?」
何故自分が呼ばれたのか、何故こんなに自分を注目するのか…そしてこの少年は?
この状況が判らず混乱する一方だった。
「アレン君、君はこの子の事知らないかい?」
先程から泣きじゃくるこの少年を指摘するのだが何故自分にそんな話を振ってくるのかがわからない。
「ちゃんと顔を見て」
両手を擦り付けて泣くこの少年にアレンは同じ目線の態勢に低くし、宥めながら顔を見せる様声をかける。
「ボクどうしたの?ほら顔を上げて…」
少年は涙を袖で拭きながらアレンへ顔を向ける、すると少年の顔は喜びへの顔へと表情を変える。
一方のアレンもこの少年の顔に見覚えがあった、そう紛れもなく自分の顔。
この少年は自分に似ているのだ。
そして更に驚く事は…
「ママ!」
少年はアレンにそう声を張り上げ抱きついてきた、もちろん周りに囲む人達も目を丸くさせる。
「うぇ〜ん!ママどっか行っちゃうんだもん、ボク一人で怖かったよぉ〜ひっく」
「え?ちょ…ボク?」
突然抱きつくアレンそっくりな少年、コムイもその少年の行動にアレンを見る。
「ち、違いますよ!僕はこの子の事なんて今初めて知ったんですから!」
「判ってるよ。この子は見ても6〜7歳くらいだから例え君が生んだ子だとしても8〜9歳の時の子供になっちゃうしねぇ」
「兄さん、その冗談は洒落にならないわよ…」
「ていうかアレンは男っしょ!?」
突っ込むリーバーの台詞。そうアレンが登録されてる性別はたしかに『男』、しかし実の所皆には黙っているがアレンは
『女』であった。
アレンが女性だと知っているのはコムイとリナリーの二人。
何故そんな面倒な事をしているのかと言うと物心付いた時から男として育ったアレンが今更女の振る舞いなど出来る訳が
無いという個人的に下らない理由であった。
リナリー個人としてはどうしても女だという自覚はしてもらいたいと願っているらしい。
コムイとリナリーはアレンの顔を見るなり苦い表情をする。
「とりあえず今ならこの子に色々聞けそうだから僕ら以外の人達は自分の仕事に戻って」
興味を示す他の人だかりは「え〜」と不満を溢すが仕事を放っているのは事実な所なので渋々散らばっていく。
「さて…と、邪魔はいなくなった事だしこの子に色々聞かないといつまでも此処に置かせておく訳にはいかないからね」
「そうね、本当の親御さんが心配してるかもしれないし…」
アレンにべったりくっつくこの少年は見れば見る程アレンに瓜二つ。
アレンを少し若くした感じなこの少年、この世に自分そっくりな人間が3人いるという怪奇な話も信じてしまう程。
そして一番に感じた謎は少年の言動。
『ママ』と言う先は紛れも無くアレン…、少年のみが瓜二つならただ偶然で済むのだろうがこの少年も間違える程の母親
までもがアレンにそっくりだと言う事なのだが…。
こうも偶然が重なる事などあるのだろうか?
そこでコムイはとある一つの可能性を示してきた。
「もしかして…この子はイノセンスの反応か何かの原因で未来から来たという可能性は無いかなぁ」
「「未来?!」」
同時に驚く二人に対して科学班なりの冷静な分析をするコムイ。
「つまりこの子は実際アレン君の子供であって、それが過去へタイムワープしてしまった。だからこの子はたとえ歳が違うアレン君も
母親と見分けた…という話なら全てが辻褄合うよね」
「じゃあ、なら…」
リナリーは少年に近づき、質問をする。
「ねぇボク?あなたのママって名前何て言うの?」
すっかり落ち着く少年は笑顔でリナリーの質問に対し簡単に答える。
「ボクのママねぇ、アレンって言うの」
その答えに対し三人は可能性では有り得る話だとしても大きな驚きを持つ。
そして一番に驚いたのがアレンだと言う事も…。
「あなたの名前は?」
まず最初に聞かなければいけなかった質問に続いてリナリーは聞き出す。
「ユアン。」
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