「ア、アレン?!」


一向に先へ進まない事に我慢ならなくなったアレンが出た行動。
突然ラビに抱きついたかと思えば横へ回転する様に相手との立場を成り代わった。
様はアレンがラビを見下ろすという構図。
突然の移動にラビは驚きに目をパチクリさせている。
アレンは既に自我を無くしてると思われるトロンとした瞳で恐らく無意識。
そしてラビの大きくそそり立つ肉棒を己の禁断の場所へと導き、体重をかけて内壁の奥へ一気に下半部を降ろした。


「ふああぁぁぁーーーー!」


内部を圧迫する衝撃に驚いたのか全てを収まった暫くは身体をピクピク震えさせ慣れに落ち着くのを待つ。
ラビも予想外な行為に不意を突かれた為か突然の己に絡む内壁によって一瞬高みへ持っていかれそうになったが何とか持ちこたえる。


「…っ、アレン大胆…」
「んんっ…だって、もう我慢できないのに…意地悪するから…ぁん」


しかしラビにとっては思わぬ収穫である、純情そうな彼女にこんな大胆な一面を拝む事が出来たのだから。


「気持ち…好いんだけどさ、いっつもHの時のアレンってこんな感じなの?」
「違…っ、ん、んぅ…っ…こんなの初めてですよ…っ!」


因みにアレンが今行っている体位は『騎上位』。
知識だけは自ら覚えた事、実践は初めてであるが…。
『初めて』と言われ喜ばない男はいない、そんなアレンの頑張りにラビは嬉しそうに頬を上向きにする。


「すっごい、アレンの中が絡みついて…最高」
「あ、んん!貴方のも…おっきくて、すごいアソコがいっぱいです…っ」


己の高ぶりを昇華させようとアレンは上下に身体を動かした。
顔を紅潮させ、荒い呼吸で開いたままの口からは飲みきれない唾液が銀の糸となって唇を伝う。
そんな艶かしい姿を眺めるだけでラビの限界は終わりを迎えそうになる。


「ごめ…っ、もう限界だわ…!」
「あ、あぁっ!ぼ、僕も…もう…っ」


「………………………っっ!!」





慣れない行為に疲れたのかアレンはそのままラビに上に倒れこみ、荒い呼吸を落ち着かせた。
ラビはそんなアレンの髪に優しく触れ、まるで子供に対すると同じ様に頭を撫でる。
それは『男』から『兄』に戻った瞬間。
そんなラビの優しさにアレンは心地好さからそのまま眠りへと意識を闇に吸い込まれていった…。


「おやすみ…アレン」









「ん…」


窓から差し込む白い光にアレンは閉じていた瞼をゆっくり開いていく。
すると自分は隣に寝ていた相手に温もりを求めるかの如く縋り付く様に寝ていた事を気づいた。
慌てて離れ、相手を背に向ける様に態勢を変える。
顔を真っ赤に上昇させ、バクバク高鳴る心臓を押さえようと胸を押さえた。
すると寝ていたと思われる背中側の人物が後ろから抱き込み耳元へ顔を近づけ…、


「おはよ、アレン…」


突然吹きかかる吐息に驚き、ゆっくりその声がした方へ身体ごと顔を振り向いた。


「お、おはようございます…っ」
「顔、真っ赤」
「っっっ…!」


指摘され、更に小さく縮こまるアレン。
そんな背中を丸めるアレンに対し、ラビはお約束の台詞を…、


「昨夜は可愛かったよv」


ボッと赤く染まる姿はとても初々しい。
そんな可愛いらしい姿を再び抱きしめ、軽めのキスを送った。


「少しは…、寂しさ埋まった?」


明るく尚且つ優しく触れる態度も恥ずかしくなるような台詞も全て空いた心を埋める為のラビの優しさ。


「はい…」


少し揺れ動いた心、絶大に満たされた今の気持ち。
しかしこれは『利用』。
あくまでも心埋める為の…。
そんな罪悪感に曇る表情にラビは苦笑し、アレンの頬を優しく触れる。


「また、寂しくなったら俺がいつでも空いた心埋めてやるよ。な?気にすんなって」
「ラビ…ありがとう」




二人は再び合流しようと宿から出発した。
リナリー達と合流する頃にはいつも通り平常な二人。
だけど何か一つ近づいた雰囲気。
そんな二人をリナリー達は何か感じ取っていたがそれは何も言わず、普段通りに接する。
何気に他の二人が離れた瞬間のタイミングでラビは、


「眠れない夜があったらまた俺を呼びなよ?」


アレンは昨夜の行為を再び思い出したのか頬を染め…、


「また…寂しくなったら……ね。」


と、一言放つと小走りでリナリーの側へ移動した。
そんなアレンの様子にラビは…


「これって俺にもまだチャンスある感じ?」


誰に対して話してる訳でも無く、青く広がる空に向かってラビはそう呟いた。





fin








●言い訳●
予定通り4話分で終わりました。
何気にマニアックなエロをお送り致しましたがかなり個人的趣味に走ったシーンになってしまいました…すみません(汗)
こんな感じの話でしたが如何だったでしょうか…
希望通りとは言いがたい話だったかも(逃)




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