アレンは自分に酷く嫌悪を抱いた。
相手は愛しの男性(ヒト)では無く優しさの欠片も無い荒く痛みつける様な愛撫なのに思い切り反応を示してしまう。
泣いて喚いて唯一解放されてる足で抵抗してもそれは簡単に押さえ付けられ、このままでは愛しい師匠を裏切る行為。
それだけは許されない。
この場を抜け出すには残る方法として左腕のイノセンスを発動するのみ。
それを実行しようと左腕に集中しかけた時の絶好のタイミング、


「そうそう、お前来たばかりで知らないだろうから教えてやるよ。どうせコムイもそこまでは面倒で言って無いだろうし」
「?」
「この教団では元帥レベルの力あるエクソシストと恋愛する事はご法度だと知らないだろ?」
「え…?」


そんなの初めて聞いた事だった。
師匠はそんな事言って無かったし…でもコムイさんから聞いてないだろと聞かれたらそれは本当の事?


「元帥ともある奴が自分より弱いエクソシストを愛するが故、命でも落とされてみろよ。教団としても大きな痛手となる。だからこそ力の差がある奴との恋愛は暗黙の内に禁止となった、知らなかっただろ」


たしかに利に叶う理由であった。
ならばクロスは何故そんな大事な事を伝えてくれなかったのかとアレンはショックを隠せない。


「はっ、まだそれでも信じられねぇって言うのかよ?まぁ大方あの元帥が言うとも思えねぇしなぁ。どうせ教団に適応者がほぼ集まって力ついてきた頃にまたお前を引きつれて教団から抜け出そうとも考えてたんだろうよ」


神田の話には納得させる要素は十分あった。
アレンを騙すには十分な程…。


「もし元帥との恋愛がバレれば大元帥等は黙っちゃいないだろうなぁ」
「!?」


僕はその時何故冷静に考えられなかったのか…殊が終えた後、最大の後悔をする事になろうとは…。
これは神田がその場思い付きで語った嘘。


涙が止まらなかった。


師匠への懺悔と。



そして自分への簡単に確かめもせずに信じた浅はかさ。


でも僕は漸く叶った関係を壊したく無かった。
先の不安より今の幸せ。


だからこれは人生で一番の師匠への秘密。





「お前以外にも肌綺麗なんだな。小さい傷もあまり見当たらねぇ」


陶器の様なしっとりした白い肌、味わうかの様に身体中全身の肌を滑らせる。
柔らかな乳房にはまるで赤子の様ちゅぱちゅぱわざと音を立て、相手に羞恥を高めさせるには十分な行為。
舌を絡め荒く吸い付くだけで特に胸に敏感なアレンには一堪りも無かった。


「ふ…ぅんっ、あ…そこイヤぁ…」


嫌々な承諾にも係わらず素直な答えに神田の下半身はそれだけで熱くウズいてしまう。


(こいつ何つー声出すんだよ!もうヤベぇ)


柔らかい唇から奏でる音楽(声)に理性と言う名の思考が麻痺してしまいそうだ。
我慢など出来る筈も無く、そのままアレンの濡れ場部分へと移動していくのだった。





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