壱参 幸せを包む楽園[2]







指でこの大量な愛液。
神田の欲は本能の赴くままその湿る下半身に顔を埋める。
透けて分かる女性の宝石、興奮すれば男性同様に変化をもたらす海綿体である箇所。
布地であるその上から神田は唾液で湿る舌でクリュクリュとその存在を弄りだした。


「や!?何??!汚な…っ、あぁっっ…!」
「汚いものか、お前の『ココ』美味そうな実だな」


下着の上からでも分かる程硬く突起する膨らみにカリ…と軽く歯を立てる事で一枚の薄皮で直接的でない
感覚から若干攻撃的な感覚へと強い刺激に彼女の身体が大きく震え上げる。


「んあぁっ!おねが…い、も…意地悪しないで…」


渦巻く欲はアレンも同じ。
神田によって植え付けられる性への渇望はもはやこのもどかしいイタズラに近い愛撫ではもう我慢は
出来ないでいる。
この感覚から早く解放されたい、と自然的に本能は本番への受け入れ態勢が十分整っていた。

(これ以上だと辛いのはコイツも同じになってきた訳か)

漸くに下ろされる下着、そして密着箇所から伝う大量の透明な糸。
完全に下ろさない状態の姿は思わず一級品のオブジェとも思える程美しく感じた。
今でしか見られないとてつもなくイヤらしくそして女性ならではの美。
暫くその姿に堪能すれば熱く熱り、限界を訴える自分の海綿体である突起物に気付く。
だが彼女に埋め込むには早い。
初めてであろう彼女の一番を苦痛で記憶させたく無かった。
そして神田は彼女の股を割り込み、先程布で隠されていた陰部を隠す二枚の花弁を広げれば露となる蜜で
覆う小さい実と蜜壷。
再びソコに舌を這わせれば突然の直接的に触れる感覚からアレンの身体は大きく揺らす。


「やあぁっ!そん…なトコ…っ、ひゃあぁん!!」


言葉で拒絶を表しても身体は拒絶どころか「もっと」と言わんばかりにヒクヒク快楽を求める。
むしろ彼女が放つ言葉の『拒絶』は男の興奮を誘った。
嫌だと抵抗するばする程人間とは身の内に潜む虐待心は増大に煽られる。
男など尚更煽りが大きい。
身の内に潜む理性と両挟み、しかし彼女の隠される場所を暴くにつれ欲望は大きく膨れ上がるのであった。
渇きを補う動物の様、彼女から溢れ出る聖水を貪る様吸い付く。
一方の彼女も内壁を嘗め回す存在が愛しい彼の舌だと思うと胎内から造られて出る蜜は一向に途絶える事を
出来ないでいた。
蠢く花弁内から響く水音も更に彼女の羞恥を高める。


「すげぇな…舐めきってもヌルヌルが止まらないじゃねぇか」
「う…んぁ…、あ、あぁ…っ、恥ずかし…よ…」
「お前の全てを知りたいからな…まだまだだ」


舌に加えて差し込まれる人差し指。
繰り出される度にクチュクチュと水音の大きさが変わっていく事に気付く。


「女はスゲェな…男と違って一度で吐き出さない代わりにいつまでも濡れる訳か…」


女性の神秘に関心しながらも増やしていく指から伝う蜜。
これだけ潤えば準備万端とも言えるだろう。
埋め込まれる感覚はあるにせよ、開発されていない胎内を感じ取るのは無理だとしてもこれだけ蜜を垂れ流す彼女
には敏感である才を持ち合わせているのかもしれない。
ヘタをすれば男を狂わせる程の存在となる将来性を神田は嫉妬した。

(コイツは一生俺のモノだ!コイツを奪う輩は例え元帥レベルの人間でも…渡しはしない!)

元より執念深い男。
一度決めた事は恐らく死ぬまでその信念を突き通すだろう。
神田は一度彼女から離れ、その体制を彼女に密着する様上から被さると彼女の唇に接吻を落とす。


「アレン…良いか?」


熱がこもる彼の瞳を薄く開く眺めるアレンの瞳。


「僕を…貴方の好きな様に…して下さい」


ギュッと瞑る瞼は決意の証。
赤く染まる頬は拒絶でなく受容れの証。
その全てが神田という存在に身を託すのだと伝わる。
その初々しい愛らしさに神田の欲望は彼女の内へと埋め込まれるのであった…。














「あぁぁ…っ!…っぅ…は…あっ」
「っ…すげぇな…絡みつく」


ゆっくりと埋め込む楔。
彼女に負担ならぬ様その優しさは圧迫に戸惑うアレンでも理解が出来た。
その嬉しさから彼女の瞳から流れる雫は苦痛ではなく喜び。

もっと彼を感じたい。

もっと彼に触れたい。

もっと彼と近づきたい。

込み上げる気持ちを隠せず、直ぐ側にいる彼の頭を抱えれば引き寄せ自ら男の唇に甘い口づけを送る。


「アレン…?」


男が女に与える様、アレンは神田の唇に何度も触れる様なキスを送る。
それは恥じらいながらも彼への好意を表す仕草。


「何か…もっと神田の事…好きになってしまいました…」


再びの告白に神田の目は大きく見開かされる。
彼女の言葉一つ一つが突き刺さる様に…。
それだけ彼女の放つ言葉は心を揺さ振る効果があるのだと気付く。
しかし照れ隠しなのか神田は負けんじと自分からも彼女に言い放つ。


「馬鹿か…俺の方がお前を愛してる」
「…馬鹿とか愛してるとか、けなされてるのか告白されてるのか…神田ってすっごい言葉が矛盾してますよね、くすくす」
「お前な…」


緊張していた身体は笑いにより和らぐ。
埋め込まれながらも状況を把握せず笑い出す彼女に場の雰囲気を戻す為か再びその男根を最奥へと進ませた。


「んあ…っ!」
「大丈夫だ…もうお前を突き放す事は無い。生涯…俺の側に居ろ、アレン」
「か…んだ…、あ…ん!僕も…ずっと…あぁっ」


破瓜による苦痛は既に和らいだ。
あとは互いの本能に赴くまま神田は胎内を打ちつけ、アレンは胎内に打ちつける存在を存分に味わっていた。
身体を繋げる事は愛の確認だと誰かが言っていた気がする。
アレンにとっても今ならその言葉に賛同できる、快楽を追うでも無く男の欲望を満たす為だけでも無く…。
彼女にとって今思えた性交とは心と身体が初めて通じ合う事で成り立つ神聖なる儀式。
エクソシストという立場から神に感謝し、神から生きる喜びを知る。
神から生を受けた男と女、そして生きる次に愛する喜びを知る。
神を信じる、だからエクソシストになったと言う訳では無いが今互いの存在が在る。
それだけの言い切れぬ感謝を身体が繋がる行為によって実感された。
男女の愛は種を育てる。
自分と彼の種は『ユアン』なのだ。
ユアンの存在が自ずとも分かる二人の絆。
ユアンという存在が過去へ来たその意味を今なら理解できた。
それは真となる男女の愛を知らずに生きてきた自分達に神はその教えとして奇跡を起こしたのだと…。
人は意味を成して生まれてくる。
その生きる意味の一つとしてユアンの存在。


「アレン…辛いのか?」
「ううん…違う、幸せだなと思って…。だから、もっと僕を抱いて…」


胎内に解る神田の存在は気持ち良い。
脈打つ胎内の彼も気持ちが良いのだと、その膨張する塊にアレンの内壁は絡みつく。

擦られる度感度が増してくる内壁と繋がる男根からは二人から排出される液が溢れ出ていた。
限界が近づいてきたのかアレンの花弁は時折不規則に神田を締め付け、射精を促そうとする胎内にご希望を
沿えるかの様その動きは活発となる。


「あ、あぁ…っ…!スゴ…何かクるよ…ぉ!!はぁっ…は…」
「アレン…っく、一緒に…」


決定打を与える大きな衝撃に二人は欲望の絶頂を同時に弾け飛ばした。


「…っ!」
「ああぁぁぁぁぁー…っ!」


大きく脈打つ内壁の存在。
熱く放たれた彼の種はその内へ流れる感覚にアレンは震え上げていた。
何も考えられず真っ白になる脳内にそのまま意識は薄れていった…。

















●言い訳●
ようやく身体の繋がりまでいきました。
官能小説らしい文章は難しいものです。
長い事話が停滞してましてすみませんでした〜


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