漆 未発達な気持ち







両手を拘束し嫌がる相手をも無視しあらゆる箇所に唇を寄せれば、大抵の女なら反応を示してその身体を明け渡すのだが、
涙と共に零れる嗚咽が神田の行為を引き止める。


「…んだよシラけさせんなよ、いずれでも俺と関係持つ訳だから遅かろうが早かろうが同じ事だろが」
「ぅ…っ、ふぇ…っ!ちが…う!!気持ちが…、全然お互いの気持ちが繋がって無いのに…ひっく、こんなのイヤだ…っ!」


まるでユアンの様に子供特有に近い泣きはらしに流石の神田も気分が大分冷めてしまったようだ。
ウザイと思うよりも冗談がすぎたと少し罪悪感が芽生えてくる。


「ちっ、悪かった…冗談だ冗談!!お前みたいなガキに本気で抱こうとする訳ねぇだろ!俺だって好きでも無い奴となんか願い下げだ!」


拘束する両手を離せば、神田はその場から出て行ってしまう。






「…何やってんだ俺は」






いつもなら思わない罪悪感と感じた事の無い感情に神田はこのモヤモヤにただ言葉を吐き捨てるしか無かった…。













「アレンくんお風呂あがったかしら…ア、アレン君??」


アレンが暫くすると話を終えたリナリーはユアンをアレンの元へ返そうと部屋へと向かったのだが、肝心の母親なる人物はベッドへ伏せ、
先程とは様子が違う様に感じたリナリー。


「アレン君どうかしたの?!」
「ん…ちょっと湯疲れしちゃった様で…」


いつでも気遣いのあるリナリーに対してもっとも納得すると思われる無難な答えを相手に返す。
それを信じたのか安堵の溜息をするリナリーの側からはユアンが自分に向かって小走りで抱きついた。


「ママ〜だいじょうぶ?」
「うん、大丈夫だよ…。心配かけちゃってごめんね」




(本当に…このままこの子の生まれる未来などありえるのだろうか…?)




『俺だって好きでも無い奴となんか願い下げだ!』


この台詞に胸の奥がツキンと痛みを感じた。
それがどういったモノなのか原因などわからず、アレンと言い神田と言い、人間というのは常に天邪鬼な生き物だ。
それ故に何とももどかしい今の二人…。
アレンはユアンを抱きかかえながらその夜を過ごすのであった。









「よく来てくれたねアレン君。実は色々調べなおした結果、実に面白い事が判ってね」
「ユアンが未来に帰れる方法見つかったんですか?」


朝一番に呼び出されたアレン、ユアンは夜も遅かった為か未だ部屋の白いシーツに埋もれている。
そしてコムイが語るその面白い事というキーワード。


・夜中0時
・雷
・新月


という物だった。


「この三つの共通点はユアン君が始めてココへ来た時のもっとも関わっていたポイントでね、昔から魔力が強くなるだとか古くから
伝えられてる話だけどイノセンスの様な怪奇現象起こす程の強い力もそれに反応するんじゃ無いかと推測した訳なんだ」


今判る限りの推測、しかしイノセンスの様な怪奇な力があるのだからコムイの力説も納得がいく。


「それで、次の新月まであと3週間弱。天気はここの所下り坂だからもしかしたら上手い具合にユアン君を未来へ返せるかもしれない」




残り3週間。
長い様な短いこの期間にとってアレンは複雑な思いしか残らなかった…。


神田に対しても…。

















●言い訳●
すみません!!久々の更新の癖にエロすっとばしたってかまったく話の方向性かえやがりました!!
続きの更新は夜遅くか…はたまた朝早くです。
姉にネットケーブル取られてしまうので…すみません


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