ていうか。
混乱していたからなのか。
自分の考えの甘さ。
僕がたとえ逃げたって、
他の人達から僕の情報が伝わってしまう事。
すっかり忘れてたけど。
師匠がまず会うとする人物がいたとしたら、
僕以外でコムイさんだろう。
コムイさんは、
確実しゃべる!!!
「お仕置き決定だ〜〜〜〜〜〜!!(涙)」
おそらく逃げても無駄であろうと、恐怖の大王を待つ如く部屋の隅で固まる。
あまりにも待つ1秒1秒が長く感じる。
気が付くとアレンは掛け毛布を頭にかぶり、ガタガタ震えていた。
どうせなら来ないで欲しい。
師匠のお仕置きは本当に怖い!
本気で死ぬ寸前までになった事さえ。
だって気絶させるにも鉄鎚で殴るなんて普通はありえないし!
ティムが人を呼びに行かなければあの時は出血多量でマジ死ぬかと…
なのに憎めない自分の師匠って…(がくっ)
『ドン!ドン!』
ギクッ!?
来たーーーーーーーーーーーーーーー!!!
どうしようどうしようどうしようどうしよう〜〜〜〜〜〜〜!!!!
「アレン!開けろ!いるのは判ってるんだぞ!!」
ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!
「2度も言わせるな!アレン!!」
「は、はい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
D.Gray−man応援して下さった皆様、ありがとうございました。
僕はアクマではなく自分の師匠によって殺されます。
次回星野先生の作品にご期待!!!
なんてある訳無いっしょ!!!!!
そんな一人芝居で混乱しつつも素直に扉の鍵を開放させる。
途端勢いよく開かれた扉と同時に自分の身体は吹っ飛ばされ、ベッドへ思い切りダイブ!
「し、師匠…(蒼白)」
「アレン…話はもう判ってるんだろう?」
「こ…これには事情というものがありまして…」
「俺は自分が言いつけた約束を破られるのが1番嫌いでな」
「はい!それはわかってますぅ〜〜!」
何とかクロスを宥めようとするが効果はまるきり無い。
「何故『男』で登録した!!」
「それは…」
詰め寄る怒りMAXな師匠程怖い人間はいない、もしかしたらアクマよりも。
「理由があるなら聞いてやる、くだらない事なら…『覚悟』しろよ」
あ、今気が付いた。
怒ってる師匠って何か神田に似てるんだ。
…て本人が聞いたらきっと激怒するんだろうなぁ。
「理由と申しますか…今更女性らしく振舞うなんて無理ですよ」
「別に女だって気にしないで今までと同じで構わない!…理由はそんな事なのか?!」
「え、え〜と…その…」
「他には理由は無いんだな!…アレン『覚悟』決定だな」
「えぇぇ!!!」
するとクロスはおもむろにポケットから小型ナイフを取り出した。
ま、まさかそれで…!?
本気で殺される!!!(今までも本気に殺されそうになったのでは?)
「おっと、抵抗はするなよ。別にこれで傷付ける訳じゃないさ」
ベッドとクロスに挟まれ、逃げ場を失い、そして…
ナイフは…
アレンに向けられる。
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