やはり先程目が合ったのは偶然では無く必然。体内に埋め込まれる人工物が突然動き始めたのも納得がいく。


「今はありがとう言うべきなんだろうけど、事の原因はアンタなんだから一発殴らせろ!」


言うが既に右手握拳は相手の顔に目掛けていた。しかしその拳も軽く避けられる上、ガシッと掴まれてはビクとも動かない。


(コイツ!?)


格闘技好きなシン自身、TVなどから見たマネとは言え元の運動神経から中々の腕前であり本人もそれに自信を持っている。
実際喧嘩をふっかけられても大抵は勝試合なもので、中学時代一部の間ではそれなりの名を知られていた。
しかし今それは見事に予想を裏切る事となる。


「いきなり殴りつけるだなんて関心しないなぁ、こんなに可愛い顔して」


(か…可愛いだとぉ!?)


自分も女の様な優顔している男が「可愛い」など言う台詞にシンは顔を赤くして、握られている拳と逆の左拳で再び殴りつける。


「お前なんかに言われたくねぇ!!」


ガシッ


「…っ!!」


至近距離からの攻撃もまるで赤子扱い如く右と同じ様に塞ぎ、両手共に封じられ恐らく足を出したとしても同じ結果であろう。
そこまで相手の実力を見極められないシンではない。
するとキラは右手に塞ぐ手をそのまま左のものと同時に片手で拘束をし、様はシンの細い両手首を片手で掴む状態。


「な…放せ!!」
「殴りつけようとしてる子を放す馬鹿はいないんじゃない?」


フリーになったキラの右手は相手の顎を掴めば強引に唇を奪い始めた。


「??!んんーーーー!!」


口内に蠢くぬるつく凶器、逃げようにも巧みな相手の技能に意図も簡単絡み取られる。
気が付けば後頭部を支えられ、尚更逃げられない様仕向けられればどうにも対処が出来ない。


「う…んんっ、んーーんっ」


巧みな技に満更嫌だと思えなくなる行為、気が付かない内に力を込めていた身体からは力が抜け落ちてしまっている。
するとそのまま体勢が再びシーツの上に押し倒され今自分の状況を思い出すもののそれは既に遅し、
元々外されていたベルトのズボンはこの男の手によって下ろされてしまう。


「んんーー!!っ、ぷはっ!はぁはぁ…やめろ!何してんだよ変態!!」
「その変態に気持ち良さそうな顔してたのは誰?それに中途半端に止め入ったからシンの『ココ』責任持ってイカせてあげないとね」
「?!」


忘れてはいたが残る興奮によってその姿は未だ堅くさせる男性器。それを指摘されれば顔を真っ赤になり怒りを表す。


「別にこんなの放っておけば治る!アンタなんかに触られたくない!!」
「あんな教師には触らせてあげてるのに?」
「あれは向こうが勝手にしてきた事であって…っ!男が男に触られるなんてごめんだ!」


必死に抵抗はするものの手練た相手からビクとも動けない。


「別にどうだっていいよ、君の意見なんて元々関係無いんだしとりあえずはもう時間無いからイカすだけはしてあげる」


待ち続ける象徴を細い指が触れれば、待たされた分身体の感度は素直にその返事を伝えてしまう。
ビクビクと象徴を更に大きく膨らませ、その正直さにキラの表情からは愛しむ様に相手を眺めた。


「上は素直じゃないのに身体は正直だなんて…本当君は可愛いね」
「ふざけ…っ!?ひゃっっ!!?」


解放を待ち望む性器を右手で快楽を与え、左手は胸元を弄る。そして端麗なその顔はシンの耳元へ近づけると
柔らかい弾力ある皮膚を唇で挟む。
予想していない行動はシンの高ぶりを更に引き立てた。


「や…!くぅ放せ…!!ん、んん…は…っ」


限界である身体は既にキラへその身を受け渡していた。細かな気遣いある愛撫は焦らしつつ高ぶりを最頂点まで引き上げる。


「シン…可愛い…」
「んんっ!耳元で…話すな…っぁ」


耳までが性感帯だと相手によって気付かされるシン。
洩れる吐息と心地よい声によって震える空気の振動は痺れる程シンを酔わせていた。
クチュっと唾液から奏でる水音も吐息が触れる風の音も全てが興奮へ繋がっていく。


「本気で可愛い…僕のモノにならない?」


相手が女なら即落ちであろうこの耳元テクニック。男でありながら何とも艶かしい誘い方をするのだろうか、この男は。


「も…がま‥ん…できな…んっ、ふぅ…っっ」
「君が僕のモノになれば…イカせてあげる」


限界だった。理性など保てる筈が無い若い身体ははち切れそうになる程解放を望み、


そしてシンは天使の様な悪魔みたいな男の誘惑に…


甘い契約を結んでしまう…。





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