「さっきは痛くしちゃってごめんね、本当に昼休みで返すつもりだったんだよ。だけどやっぱり1時間じゃ僕には足りなかったみたい」


だから最後はほとんど無理やりに等しい程余裕が無かったと本人は言いたいらしい。
少年の耳を舐めながら先程の謝罪を伝える物の、シン本人にしてみれば謝罪など心にも思ってはいないだろう、
これは気絶させ部屋に閉じ込めさせる為の作戦だと男の言葉など信じられる訳が無かった。
だからと言って既に精神的にも肉体的にも疲労しきっているシンは抵抗しても無駄な消耗と理解すれば、
相手の愛撫を素直に聞くという選択肢しか残っていない。
痛くしないと言っているのだから今度は本当だろう、身体が参っていると言うのにまた痛みつけられては溜まったもんでは無い。


「シンって結構敏感だよね…乳首とか結構弄られてたから更に敏感になっちゃった?」


キュッと指で胸の果実を摘むと喉の奥から漏れる音と歪む目元は肯定してるものだと認識されてしまう。
更にキュッキュッと両の果実に指を摘めば声が漏れ、身体中が粟立つ様な感覚が何だか嫌いだった。


「んんっ…!ふ…ぅっ」
「本当に敏感になりすぎちゃったね」


朝から弄られていれば敏感になってしまっても当たり前な話である。
男でも胸は感じるものだといらない知識だけが理解しても誰に言えるだろうか?


「ここもそうだけど…こっちも敏感になりすぎた訳だ?」


既に下着だけの状態から下半身へ移動する指先、男として熱くなる象徴は触れられる事で更に硬くさせるのをキラに知られてしまう。
女の胸を揉む様な優しく揉み解す仕草があまりにイヤらしさを増して顔が熱くなるのが分かる。


「ぁ…あ、はっ…」
「こんなに硬くして…、シンは本当に可愛いね」


下着を脱ぎ外させ、上下共身に纏う物が無くなる。
だが自分は裸なのに相手は未だきっちり着込んだままなのが独りよがりの様で何だか惨めな気分に陥りそうだ。


「…ア…ンタも脱げよ、俺ばかり…嫌だ」
「クス…誘ってるの?」


「いいよ」との返事にキラも上半身の衣服を全て脱ぎ捨て、以外に引き締まった男らしさを分からせる身体が目の前に現れる。
甘い顔をしていながら以外な物を見つけたシンはマジマジとその身体を眺めた。


「これでもある程度の筋トレとかしてるんだよ、以外だった?」


シンの攻撃が全て避けられたのも当然の様な気がする。
自分は所詮見て見真似、この目の前の身体を見れば鍛え方が違うのだと何だか恥ずかしさでさえ感じてしまう。


「でも…僕は君の身体好きだよ。スベスベして触りこご地も悪くないし、何よりも敏感だし」
「っ…!!」


台詞を吐きながら直に性器を触れだすキラの手。
愛しそうに撫でるその動きはもどかしいながらも確実にシンは感じとっていた。


「あ…っ、あっ…ぅ…っ」」


何度同じ行為をされていても胸と下半身同時の愛撫は慣れるものでは無かった。
胸の宝石をコロコロと舌先で転がらされ、下半身では先端から零れそぼる無色の液を塗りこめる様上下に扱きあげていく。
頬を赤く上昇させ、瞑る瞳から零れる涙は男だとわかっていても男なら興奮するのに間違いは無いだろう。


「本気で…手放したく無いな」


聞こえるか聞こえないかくらいの小さな独り言如くの台詞、行為に息を荒げるシンには聞こえているとは思えない。
キラにとって遊びからここまで自分でも興味深まるとは思いもしなかった。
それだけこの彼に対して何か自分に結びつける要素があったのだろう。

(本当に遊びのつもりだったんだけどな…まさか僕の方が本気でハマるとはね)

今まで本気などなった事など無かった、大抵が一度ヤってしまえば飽きて終わりになるのだが今回ばかりは違っている。
本気で彼の事が欲しいと思う自分に、つい苦笑した。
そんな自分の気持ちを誤魔化すのかそれとも相手に伝えたいのか…
飲み込めない唾液に濡れる艶かしい唇を奪えば、舌を絡め激しく繰り返す深いキス。
息継ぎを鼻でするのだとわかっていても鼻呼吸が酸素吸入を追いつけず、シンは度々はキラの唇から離れようとするのだが
キラはその度に許さないと言わんばかりに何度も彼の唇を貪る。
本気で求めるキラはこんなにも情熱的なのだとシンは知る由も無かった…。














●言い訳● ちょっと心入ってきましたキラ様。
悪魔の様なキラ様だって人間だった訳ですよ、
…なんてちょっと一方的ラブな内容にしたい気分になっただけです(苦笑)







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