A3人の生活
俺の名前は『シン』。
親であり兄でもある自分の分身達から生み出された存在。
名前の由来は『新たなる生命』という意味で『新』→『シン』にしたらしい。
自分は16歳の姿だが一応自分の立場や生みの二人の性格などは情報操作などで理解はしている。
二人の遺伝子上で性格などはランダムになるらしいが性格的にはどうやらアスランに似た様だ。
キラはどちらに似ても構わないらしく普通に接してくれるのだがアスランがどうにも顔はキラ似なのに性格は
自分と似たのが納得いかなかったらしい。
なので俺がキラに甘えてると気に食わない様でいつも邪魔をする。
そんな俺もアスラン似の意地でアスランの邪魔をする。
こうしてる内に3人でのやり取りが決まり、生活のリズムは淡々と安定してきた。
「おーい、夕飯出来たぞー」
二人は共働き、なので大体の家事は俺の役目。
「わーいv今日は僕の好きなロコモコだ〜シン大好き〜vv」
こうして喜んでもらえると作り甲斐があるもんだがアイツはいつも難癖付けてくる。
「シン…俺はピーマンは苦手だと言ってあっただろう?!」
そんなの避けて食べりゃ良い話なのにいつも一言ムカつく事を言うアスランはこの時ばかり俺も大人しくは無い。
「じゃあ自分で食べたいの作って食べりゃ良いだろ?俺は好き嫌い関係無しにちゃんと栄養管理を考えて作ってるだけだ」
「もう〜アスランは好き嫌い多いんだから。サプリばっかりじゃ身体に悪いよ?」
ごもっとも。
「ピーマンだけは駄目なんだ!!キラだって昔から知ってただろう??」
あ〜もうどうでも良いから温かい内に食べちゃってくれよ…
「もう〜じゃあピーマンは僕食べてあげるからそれで良いでしょ?」
「それなら…食べる」
まるで大きい子供だ。
呆れつつもせっかく作った料理、自分も席に座って食べる事にする。
「キラは優しいなぁ、それに比べてどこかの誰かは俺ばかり生意気で…」
出た、お約束の愚痴。
どうやらアスランの性格同士というのは磁石の反発と同じくらい気が合わない。
味の好みとかまでは同じでは無いみたいだけど。
俺だって自分が欲しくて生んだ癖に邪険に扱うアスランが正直好きでは無い。
本当は俺だってキラみたいに素直に喜んでもらいたかった。
…てそれじゃ拗ねてる子供みたいじゃないか!!
あーもうやめやめ!考えるのは!
「ごちそう様!洗い物は後でやるから食べ終わったら水に付けておいてくれよ」
愚痴の長いアスランから離れる様に自分の部屋へ戻り、漸く落ち着く空間になるとベッドへ身体を預ける。
「自分は何の為に生まれてきたんだろう…」
二人の内、片親からしか自分の存在を喜んでもらえないと本当はいらない人間なんじゃないかと心片隅暗くなってしまう。
「アスランの馬鹿野郎…」