D変化








「シン、本当に…悪かった。お前はお前なのに…俺はお前をどこかキラに被らせて見てたのかもしれない…。
お前が俺に対して反発あっても文句は言える筈は無いよな」
「…俺、それが無意識かもしれないけど感じてた。それって今の俺自身を批判してるのかと…それが悔しくて、
悲しくて、寂しくて…だからどこかアスランに対して素直になれなかった…」
「ごめんな…」


一度すれ違いから出来た溝は二人が素直になる程埋まっていく。
今まで見せる事無かった素顔がアスランにとって今までに無い愛しさが込み上げてくる。


(可愛い…かもしれない)


涙で潤んだ瞳を上目で見つめられ、キラとはまた異なった初々しさがある色香。
今まで何故放っておいたのだろうと親心とは別に男として下へ走る電気の様な疼きが奥から高ぶって熱くなる。


「今は…俺の事どう思う?」
「正直な話…、すごく可愛いと…。すまないシン、何だか変な気分になってきた」
「へ?」


気が付けば抱きかかえられ、自ら所有のベッドへ優しく落とされた。
思いもしない行動にシンも訳が解からず混乱してしまう。
どうしたのかと質問しようと思うが声を発する前に唇を突然奪われ、口内で蠢く舌に驚きが隠せない。


「んっ!んん…っ!」


くちゅくちゅと唾液から奏でる水音は更に羞恥を高めた。
唇に没頭している間上着の隙間から直接肌を撫でられ、慣れない触れ合いから感じる
こそばゆさから大きく身体が振るえあがる。
やわやわと指を動かしながら胸への移動に、シンはイヤイヤと身体を揺らしつつもそれは受け入れないと
無視するかの様にまだ軟らかいピンクの果実へ指の腹で優しく撫でた。
感じた事の無い刺激が嫌で強引にアスランの唇から逃れるものの抵抗も言えず、
声に出るのは自分でも聞いた事の無い甘い声。
それが恥ずかしく赤く上昇する頬にアスランは優しく軽いキスを送った。


「ごめんシン…お前が可愛いと認識した途端、我慢出来なくなった」
「ぁ…っ、キ…ラはどうすんだよ…っ」
「大丈夫、後で謝るし…それにキラも満更でも無いみたいだし」
「はぁ?!」


『満更』の意味が解らなかった。
しかしその意味が理解するまでそう時間はかからないでいた…。


「まぁこれは仲直りの為のスキンシップだと言えば許してくれるさ」
「え?え??」


そんな軽くて良いのかと混乱しているとその話題の本人が突然部屋へ乗り込んでくるとは思いもしなかった。


バン!


突然開くドアに驚き、シンは次第に青ざめる顔でその方向を直視してしまう。


「アスラン!」


完全にこの状況では言い訳が出来ない、例えこれが無理やりだと訴えた所でアスランと和解出来ても
キラと気まずくなるのならまったく意味を持たない。
怒りのオーラを発しているキラにアスランは別に焦る訳でも無く、うろたえる訳でも無く冷静に振り向いていた。
何故そんなに冷静でいられるのかとアスランに対しての疑問を感じながらシンはただ一人ダラダラ冷や汗を流す。


「これはどういう事…?」
「んーまぁ和解した証とでも言うのか…」
「でもこれって完全な裏切りだよね?」
「まぁその流れに任せちゃったというか」


修羅場!?これって危険!!?ていうか何でアスランそんなに落ち着いてるんだ??!


「酷いよ…」


あぁぁぁぁ!!もう絶対絶命だーーーーーーー!!!!!


「シンの『初めて』は僕がもらうって言ったじゃないか!!裏切り者!」


…は?


「だから仕方ないだろう?その時はまだ衝突してた時だし、お互いの気持ちが解って素直になったと思ったら
急に可愛く見えたんだからさー」
「ちょ…ちょっとちょっと!何アンタ達!?台詞間違えて無い?普通は恋人の浮気とかで怒ったり見つかって
焦ったりとかするんもんじゃないの??!」
「「何言ってるんだよ、シンの相手となれば話は別じゃないか」」


そ、そんなステレオスピーカーみたいに…


「ていうか何!?『初めて』って!!俺に何するつもりだったんだよ二人共!?」
「何って言われても…『ナニ』だよなぁ、キラ?」
「うん、『ナニ』以外する事無いし」


『ナニ』って何??!
もしかしていつもキラとアスランがニャンニャンしちゃってる事…とかじゃ無いよな?
そうだとすると…
俺ってピンチって奴??!!
昨日まで遠くから見守ってた立場からいきなり同時に接触尚且ついきなり3Pってどういう変化なんだよ!!
冗談じゃない!


焦ったシンは乱れた衣服などお構い無しにその場を離れようと隙を狙ってアスランから離れ、入り口を抜け出そうとするが
近くにいたキラの手によってそれは阻止されてしまう。
忘れてはいけない、キラはどんなに優しい風貌であってもシンより年上であり更に言うとアスランの存在で目立たないでいたが
実はかなりのやり手であるという事を。


「やだ!離せキラ!!俺はそんな事望まない!」
「もう遅いよシン、チャンスがあればいつでも僕はその気だった訳で、それに元々二人きりのチャンスだった今夜にでもヤるつもりだったし」
「ていうかキラにはアスランがいるんだろ?!したいならアスランとヤれよ!」


自分で言ってみて今気がついた。
何故彼は恋人がいるのに二人して俺を絡もうとするのかと。


「シン解ってないね、僕はアスランとだといつも受け身側なんだよ?僕だって男なんだし攻める方だってしたいよ」
「ならアスランに攻めろよ」
「だってそうするといつの間にか逆転しちゃうからそれが納得いかなくて」


だからってその矛先を俺にしなくたって…


「それにシンはもう食べちゃいたいくらい可愛いから僕ももう限界」


再びキラによってベッドに戻される始末、シンは急に関係を迫る親達に恐怖を覚えた。
そんな恐怖による怯えさえ受け止めてもらえずいつの間にかシンの両腕はアスランによって拘束させられる。
後ろに一括りされろくな抵抗も儘にならず、その状態にキラはシンの上着を捲り上げピンクで軟らかい胸先に唇を寄せた。





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